愛する皆さんへ。イエスが私の子どもたちを守ってくださいますように!
新型コロナウイルス(COVID-19)によって引き起こされるパンデミックの拡大により、多かれ少なかれ、現時点で生じる可能性のある困難を前に、神への信頼を新たにし、「信仰の力、希望の確信、愛の熱意をもって」(フランシスコ教皇、2020年3月8日)、この状況に立ち向かいましょう。状況は世界のさまざまな地域で変化しますが、聖徒の交わりによって、他者に起こる全てのことを自分のこととして受けとめます。なぜなら、「一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しむ」(1コリント12,26)からです。緊急事態を前にして、今、コロナウイルスによる重体にある病人、昨今のシリアの避難民のように生き延びるために移住を余儀なくされている国民、悲劇に見舞われている家族など、危機的な状況に置かれている人々と祈りによって一致しましょう。
いくつかの場所では、新型コロナウイルスにより緊急事態が発生し、これが生活の日常のリズムを変化させ、人々の心に影響を及ぼしています。このような不確かな状況においても、私たちを聖化するための恩恵を神が与えてくださることを思い出しましょう。この状況に立ち向かって日々を生きていくために、互いに助け合いましょう。外的な仕事を制限することを余儀なくされることによって、かえって「内部に成長する」機会に直面することに気づきましょう。
パンデミックの拡大に対応するために、各国の公的機関はいくつかの予防および管理措置を実施しています。 これらの措置がもたらす努力や困難に対して、聖ホセマリアの助言を心にかけておくことが役に立つでしょう。「まじめな社会生活に必要な規範は、愛し尊重しなさい。義務を忠実に果たせば、その態度を見た人々が神の愛から出るキリスト者としての誠実な生き方に気づき、それがきっかけとなって神に出会うことができる」(拓322)。信者の、そして社会一般の善益を考慮して、教会の権威者たちも、秘跡の挙行と司牧的世話についての指示を与えており、さらに指示を出すことになるでしょう。それらの指示を、私たちの母である教会への感謝と信頼の心で受け入れましょう。 また、同じ理由から、不必要に危険にさらさないためにも、必要な時には、非常に慎重に考え、計画していた形成の活動を中止にすることも望ましいことでしょう。
賢明さから、そして、国と教会の権威者の措置により、集まることができない時には、使徒的使命と人々への奉仕を活き活きと保つために、創造的方法を特別に考えましょう。まずはじめに、オプス・デイの一人ひとりが、そして、私たちの友人や家族の人たちが、そばに居てくれていると感じるように努めることです。たとえば、長い間、会う機会のなかった親戚や友人たちも含め、彼らとより頻繁に電話で連絡を取り合うこと。テクノロジーが提供するあらゆる可能性を活用し、形成の手段を行う(サークル、講話、説教、団欒、等々)。インターネット上にある形成に役立つ資料を共有する(現時点では、www.opusdei.orgに、特別なコンテンツを準備しています)。霊的生活の助けとなるものを紹介する(テキスト、オーディオ、ビデオ)。四旬節の週日のミサの朗読と祈りを黙想するよう勧める( www.vaticannews.va では、教皇様の毎日のミサをライブ配信しています)。この状況の中で、どのように使徒職を進めて行くかについて経験を分かち合う、等々。今は、互いにより一層支え合い、愛情を伝え合い、孤独を感じる人が誰もいないように努めることが特に必要な時です。
状況が許す限り、また、公的権威の指針を尊重しつつ、(近隣の人たち、職場の同僚たち等といった)他者を助けるための創造的なイニシアティブによって愛徳を生きることができます。高齢者や病人など、弱者への配慮が特に必要です。賢明さをもって、彼らへの霊的および身体的なケアに努めることを勧めたいと思います。
外出禁止令がより厳格な地域においては、アソシエートやスーパーヌメラリ、友人たちのそれぞれの家庭において、また、オプス・デイのセンターにおいても、前向きな雰囲気を築いていきましょう。これらの状況がもたらす友情と兄弟愛の機会を発見するように努めましょう。 この点で役立つ可能性のある対処や活動には、次のことが考えられるでしょう。困難や予期せぬ出来事にた対してユーモアをもって対処する。誰も非難しない。読書やビデオ鑑賞などの計画を考える。子どもたちや兄弟たちが楽しく過ごせるようにゲームや娯楽を提供する。まとまった時間が取れる時に果そうと考えていた仕事に取り掛かる。家で運動や体操をする。等々。
現在、犠牲の精神に満ちた奉仕を行っている医療関係者の方々に特に感謝をしましょう。彼らの仕事を支え、励まし、彼らのことを特別に心にかけましょう。
そして、私たちが、周りの人たちにとって、「平和と喜びの種まき人」となることで、このようの時期が、ますます神に近づく機会となるように祈りましょう。
心からの愛情を込めて祝福を送ります。
あなたがたのパドレ
フェルナンド
ローマ、2020年3月14日