属人区長の手紙(2018年10月1日)

オプス・デイ創立90周年にあたり、属人区長フェルナンド・オカリス神父は本稿を通して、神から受けたたまものを見つめ直し、感謝を新たにするよう招いています。

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愛する皆さんへ。イエスが私の子供たちを守ってくださいますように。

1928年10月2日から、明日で90年になります。「この日、主はご自分の業を創立された。オプス・デイを起こされたのだ」(内的覚書309)と、後日聖ホセマリアは記しています。この記念日を祝う喜びは、同時に、たまものとカリスマによってたえずご自分の教会を豊かにしてくださる神への感謝でもあります。「恵み深い主に感謝せよ。慈しみはとこしえに」(詩編118,1)。私たちのパドレの眼前に、広大な展望が開かれました。それは、職業と日常生活の様々な状況を通して、世界全体が神と和解するために協力することなのです。

神が第一であることを考えましょう。「オプス・デイを創立された」のは神なのです。神が引き続きオプス・デイを推し進めておられるのです。全教会におけるように、福音の言葉が実現します。「神の国は次のようなものである。人が土に種を蒔いて、夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。土はひとりでに実を結ばせるのであり、まず茎、次に穂、そしてその穂には豊かな実ができる」(マルコ4,26-28)。聖ホセマリアは出来ることから実行に移しました。それは、熱心な祈りを捧げ、決然と内的戦いに挑み、使徒職の活動に疲れを厭わず打ち込むことでした。しかし、人々に仕えるよう自己を後押しする力は、神から来ることを常に確信していました。「主よ、花も果実も、木も葉も、そして永遠の命に飛翔させる清い水も、全てはあなたのものであると、はっきりと理解させてくださったことに感謝しています。Gratias tibi, Deus!」(『主との対話』)。神の恵みが第一であることは、すべてのキリスト者一人ひとりの人生においても現実です。

神のたまものを考察するに加え、私たちの感謝を新たにしましょう。なぜなら、主の協力者となるよう(2コリント6,1参照)、私たちの卑小さにもかかわらず、私たちを頼りになさっているからです。時には、神のご計画における私たちの役割は、実際に、無意味に思えるかもしれませんが、主は私たちの自由を真剣に受けとめ、真に私たちを頼りになさるのです。5つのパンと2匹の魚を持っていたあの少年のことを考えましょう。彼は持っていたわずかなものを、イエスの手に差し出すことができました。そして、キリストはこの寛大な行為に応えて、大群衆に食物を与えたのです(ヨハネ6,1-13参照)。神は、私たちが日々応えることも頼りにされています。それは、小さな事柄ではありますが、神の恩恵の力によって大きな事になるのです。こうして、仕事において神を探すために最善を尽くすことになります。また、周りの人々を主のようにみつめ愛しつつ、心を込めて彼らに仕えることになります。そして、主が私たちの心に授けてくださった光と熱を、様々なやり方で世界に伝えるための最良の努力を傾けることになるのです。これらすべては、子としての私たちのささやかな協力ですが、父なる神は、それらを人々のための、驚くべき御業にしてくださるのです。

間もなく、「若者、信仰、そして召命の識別」に関するシノドスが始まります。イエスのメッセージが、多くの若者たちに届くための光と力を祈り求めましょう。そして、彼らが教会における多様な道において、寛大にイエスに従うことができるように祈りましょう。オプス・デイの記念日と共に、この教会の行事が近づいた今、私たちも若く恋焦がれる心に特有な新たな熱意をもって、固有で個人的な私たちの召命を見つめ直すことができるでしょう。私たちの創立者は、この若々しい心を決して失うことはありませんでした。多くの困難、苦しみを経験されましたが、主への愛によっていつも若々しくいらっしゃいました。その活力の秘訣を次のように教えてくださいました。「『わたしの若さを喜びで満たす神』(詩編43,4)に向かって祭壇のもとで祈るとき、本当に若々しい力を感じます。自分が年寄りだと思ったことはありません。忠実に神に留まるなら、神の愛は私を絶えず生き生きとさせ、鷲のような若さを保たせてくださいます(詩編103,5参照)」(『神の朋友』31)。主にとどまり一致するなら、私たちはいつまでも若くあるでしょう。そして、神は、いつまでも古くかつ新しいオプス・デイを、あらゆる場所、文化、時代に実現し続けてくださるでしょう。

人間の人生においては、90年は長いものですが、オプス・デイにとっては、確かにわずかなものです。草創期の心で続けましょう。そのように心がけることが、受けたたまものと、キリストが私たちの手に託された麗しい使命について思い出すよすがとなりますように。

私のために祈ることを忘れないでください。特に、これからの日々は、皆が教皇と共にマリアを通ってイエスへ行くことができるよう、教皇に寄り添いましょう。

心を込めて祝福を送ります。

あなたがたのパドレ

ローマ、2018年10月1日