オプス・デイの協力者、短い証言の9

ペルー、ロシア、スペイン、ドイツ、オーストリア、アルゼンチンの協力者の証言を紹介します。

何かのお返しを期待せずに

ラケル・モラン

ペルー在住

主婦・五人の子どもの母

聖ホセマリアは私の人生に大きな影響を与えました。お返しを何も望まずに仕える模範を見て、オプス・デイの協同の使徒職事業であるコンドライ農業支援センターの運営委員となり、人々の自己充足と成長のための手助けをするようになりました。また、この聖人にたくさんの取次ぎをしていただきました。娘のナオミは聖ホセマリアのお蔭で生まれました。彼女を妊娠中、健康の悪化を理由に医師から中絶を勧められましたが、聖人の取次ぎを通して奇跡を願い、それがかなえられました。最悪の場合の責任は自分にあるという書類に署名させられましたが、ナオミは無事に生まれてきました。その後生まれてきた息子には、感謝の気持ちを込めて、ホセマリアと名付けました。


私のために書かれた言葉

セルゲイ・ビジウクリン

リアザン(ロシア)在住

正教徒・歴史学者

論文を書き終える数カ月前に、キリスト教の信仰と出会いました。その後、とてもいい仕事を二つ得ることができましたが、何かが足りないと感じていました。もっと偉大なこと、もっと面白いことができると考えていたのです。この迷路にいたとき、インターネットで聖ホセマリアの言葉に出会ったのです。短い言葉でしたが、魅かれるものを感じ、実践に移すように促されました。まるで、私のために書かれた言葉のようでした。日常生活の中で神様と出会うことを学んでからは、仕事への姿勢が変わりました。何のためにするのかを理解でき、質の高い仕事を自分に要求するようになりました。今では、いい加減な仕事をしたり、やるべきことのリストを単に消化していくためだけに働くことは考えられません。神様のための仕事なのですから。


修道会の中で

シスター マリア・ヘスス・ベラルデ

ガラパガル(スペイン)の修道院に在住

イエスのみ心の聖マリア姉妹会の創立者・総長

一九八五年、聖ホセマリアの最初の後継者であるドン・アルバロ・デル・ポルティーリョ司教と知り合いました。私にとって父親のような方で、修道会の法的手続きに関して貴重な助言を与えてくださいました。公会議後の時代にあって、教会の教えと修道精神の堅持に忠実であり続けたいという私たちの望みの支えを、オプス・デイからたくさん受けました。オプス・デイの霊的糧から多くのものをいただいたことへの、一番いい感謝と答えは、お祈りすることを正式に表明することだと考えました。以来、創立してきた各修道院を協力者として任命してくださるように求めてきました。私たちの協力は、何よりも祈ることです。毎日、司祭の聖化のために私たちの生活を捧げています。私たちの意向の中には、特にオプス・デイの使徒的活動が入っています。私にとって、こうして協力することは、教会における神の業を支え、そこから霊的益を受けることです。確かに、オプス・デイの目指すものと、奉献生活の会のそれとは違いますが、神様が呼ばれる道において聖性を求めることが大切なのであり、それぞれのカリスマを尊重しつつ、互いに支え合うことが重要なのです。


ガソリンスタンドのように

クリスチャン・ヴィルケ

ファルケンシュタイン(ドイツ)在住

刑務所の医務員

私は、ルーテル派の伝統がある地域で生まれ育ちました。二〇〇五年四月十九日、ドイツ人が教皇に選ばれたと、私の叔父が知らせてくれました。それまでカトリックについては全く興味を持ったことがありませんでしたが、好奇心からテレビをつけました。その日以来、教皇様の言葉が頭を離れず、信仰と教会について考え続けました。カトリック教会のカテキズムを買って読み始めてみると、以前からずっと疑問に思っていた様々な点についての答を得ることができました。ある日、インターネットで本屋のサイトを見ていたとき、『道』という題名の本が目につき、購入して読み、自分の居場所はカトリック教会であるとはっきり分かりました。近所の教会に通うようになり、二〇〇七年に堅信の秘跡を受けました。聖ホセマリアの他の著書を買い求め、インターネットからオプス・デイについての情報を得ました。聖ホセマリアの伝記の発表会がケルンで行われることを知り、父親と一緒に出掛け、その後、形成の活動に参加するようになりましたが、中でも黙想会は、私の人生をとても豊かにしてくれるものとなりました。それは、日常生活を進んでいく霊魂のためのガソリンスタンドのようなものです。私の方からも何かオプス・デイのためにしなければならないと考え、オプス・デイの人たちに相談して、協力者になることを決心しました。


すべて微笑みながら

マリア・スペンゲル

グラーツ(オーストリア)在住

幼稚園教諭

形成の活動に参加するようになって以来、受け取るばかりで何もお返しができないと度々感じていました。今は、協力者としてわずかな協力ができていますが、やはり私の日常生活を聖化し、そのすべてを微笑みながらするための助けを受けています。私にとって、祈りのうちに毎日の生活を秩序正しく生きることは、ひとつの挑戦です。起床し、祈り、子どもの世話をし、買い物に行き、家事を片付け、山ほどの洗濯物と格闘し、食事の準備をする…。つまり、優先順位に従って秩序づけることです。学んだことの中で最も大切なのは、周囲の人々、特に苦しんで助けを求めている人たちの中に、あるいは付き合いを通して感じる素晴らしさや幸福の中に、神様を見つけることです。聖ホセマリアのメッセージを黙想していると、利己主義から解放された人は、本当に自由、寛大で、人々との付き合いの中に人間的な豊かさを与えることができることが分かります。


第一の受益者は自分

アレハンドロ・エミリオ・カナーレ・ベッケル

ブエノスアイレス(アルゼンチン)在住

「出会いの家」とマプフレ財団に勤務

利己主義に聞こえるかもしれませんが、協力者になることは、まず私自身に益あることです。使徒職をしない、オプス・デイとつながっていない私の人生は考えられません。聖ホセマリアの言葉やエピソードを繰り返している自分に気づくことがよくあります。彼の精神の中で特に二つの点に魅かれています。手が届かないように思えることに立ち向かい、嫌なことも受け入れるための勇気と、神の手中にあると確信する信頼です。神なしでは、何もできませんが、神と共にあれば、不可能に思えることも実現できます。この二点は、最も大切な一点に集約できるでしょう。祈りにおける神との一致です。