聖ヨセフの七つの「悲しみと喜び」

聖ヨセフの7つの日曜日は、3月19日の祝日に備えるための教会の習慣です。聖ヨセフの「悲しみと喜び」について黙想することは、私たちが聖ヨセフをよりよく知り、彼もまた喜びと困難に直面していたことを思い出すのに役立ちます。

聖ヨセフの祭日の前の7つの日曜日は、この聖人の人生の主な喜びと悲しみについて黙想します。画家パルミラ・ラゲンスの作品(トレシウダード大聖堂にて)

PDF式、トレシウダード大聖堂の聖ヨセフの「悲しみと喜び」絵をスペイン語でダウンロード


教会は昔からの習慣に従い、3月19日に聖ヨセフの祝日を準備し、聖ヨセフの人生の主な喜びと悲しみを記念して、その祭日に先立つ7つの日曜日を聖ヨセフに捧げています。

特に、聖ヨセフの七つの日曜日の信心を奨励し、多くの免償を与えたのは教皇グレゴリオ16世でしたが、ピオ9世は、全世界の教会の当時の苦しい状況を緩和するために、聖ヨセフに頼ることを望んだことで、この習慣を永続的に現実のものとしました。

聖ヨセフの七つの日曜日の祈り

第一の日曜日 第一の喜びと悲しみ

聖母マリアの夫である、栄光の聖ヨセフよ、あなたのけがれない妻を失うのではと悩まれた時の苦しみは、とても大きなものだったでしょう。けれども、天使がご託身の秘儀をあなたに伝えられた時の喜びは、またひとしお大きなものだったでしょう。この苦しみ、この喜びにより、今も臨終の時もわたしたちの心に、良心を清く保つ喜びと、イエス、マリアのために自分を忘れるというあなたの尊い心を示し、わたしたちを慰めてください。

「主の祈り」「アヴェ・マリア」「栄唱」各一回。

「イエスは三十歳になられたとき、ヨセフの子と呼ばれていました」

「聖ヨセフ、わたしたちのために祈ってください。▲キリストの約束にわたしたちをあずからせてください」

祈願

神よ、あなたは賢明な摂理のうちに祝せられた聖ヨセフを、聖母マリアの夫に選ばれました。どうか、この世におけるわたしたちの保護者として崇める聖ヨセフが、わたしたちの天の保護者となってくださいますように。 アーメン。

聖ヨセフの第一の悲しみと喜び

第二の日曜日 第二の喜びと悲しみ

幸いな方、保護者聖ヨセフよ、あなたは人となられたみことばの養父の地位にあげられました。あなたは幼きイエスがとても貧しい中にお生まれになったのを見て、心から悲しまれましたが、天使らの清らかな歌声を聴き、輝きに満ちたあの夜の栄光をご覧になり、その悲しみは喜びに変わりました。あなたのこの悲しみ、この喜びによって、わたしたちもまた、この世の歩みを終えた後、天使らの賛美の歌声を聴き、天の栄光と輝きを受けることができますように。

「主の祈り」「アヴェ・マリア」「栄唱」各一回。

「イエスは三十歳になられたとき、ヨセフの子と呼ばれていました」

「聖ヨセフ、わたしたちのために祈ってください。▲キリストの約束にわたしたちをあずからせてください」

祈願

神よ、あなたは賢明な摂理のうちに祝せられた聖ヨセフを、聖母マリアの夫に選ばれました。どうか、この世におけるわたしたちの保護者として崇める聖ヨセフが、わたしたちの天の保護者となってくださいますように。 アーメン。

聖ヨセフの第二の悲しみと喜び

第三の日曜日 第三の喜びと悲しみ

神の摂理に従順なしもべ、栄光の聖ヨセフよ、幼きイエスが割礼によって流された尊い御血は、あなたの心を苦痛で貫きましたが、その子がイエスと命名されたことによって、あなたの心は喜びに満たされました。あなたのこの苦しみ、この喜びによって、わたしたちをこの世の悪徳から離れさせ、イエスの尊い御名を心から唱えながら心満たされてこの世を去ることができますように。

「主の祈り」「アヴェ・マリア」「栄唱」各一回。

「イエスは三十歳になられたとき、ヨセフの子と呼ばれていました」

「聖ヨセフ、わたしたちのために祈ってください。▲キリストの約束にわたしたちをあずからせてください」

祈願

神よ、あなたは賢明な摂理のうちに祝せられた聖ヨセフを、聖母マリアの夫に選ばれました。どうか、この世におけるわたしたちの保護者として崇める聖ヨセフが、わたしたちの天の保護者となってくださいますように。 アーメン。

聖ヨセフの第三の悲しみと喜び

第四の日曜日 第四の喜びと悲しみ

忠実である聖ヨセフよ、あなたは世の救いの秘儀の成就において大役を果たされました。シメオンの預言によって、イエスとマリアがお受けになる苦難を知らされ苦しまれましたが、数限りない人々の霊魂がその苦難を通して救われるという預言によって、喜びに満たされました。あなたのこの苦しみ、この喜びによって、わたしたちがイエスの功徳と聖母マリアの取次ぎにより、終わりのない栄光を得て、復活する人々の一人となる恵みが与えられますように。

「主の祈り」「アヴェ・マリア」「栄唱」各一回。

「イエスは三十歳になられたとき、ヨセフの子と呼ばれていました」

「聖ヨセフ、わたしたちのために祈ってください。▲キリストの約束にわたしたちをあずからせてください」

祈願

神よ、あなたは賢明な摂理のうちに祝せられた聖ヨセフを、聖母マリアの夫に選ばれました。どうか、この世におけるわたしたちの保護者として崇める聖ヨセフが、わたしたちの天の保護者となってくださいますように。 アーメン。

聖ヨセフの第四の悲しみと喜び

第五の日曜日 第五の喜びと悲しみ

人となられた神の御子の保護者である栄光の聖ヨセフよ、あなたは神の御子を養われ、その子に仕えるために多くの苦労を耐え忍ばれました。特に、エジプトへの逃避はとても苦しいものでした。けれども、あなたが常に神ご自身と共におられる喜び、また、エジプト人たちがあがめる偶像が地に落とされるのを目の当たりした時の安心は、とても大きなものでした。あなたのこの苦しみ、この喜びによって、わたしたちが悪魔から逃れ、危険なことから逃げ、わたしたちの心にある地上のものごとへの執着を振り払い、ひたすらイエスとマリアにお仕えしつつ日々の生活を送り、生涯を幸福に終わることができますように。

「主の祈り」「アヴェ・マリア」「栄唱」各一回。

「イエスは三十歳になられたとき、ヨセフの子と呼ばれていました」

「聖ヨセフ、わたしたちのために祈ってください。▲キリストの約束にわたしたちをあずからせてください」

祈願

神よ、あなたは賢明な摂理のうちに祝せられた聖ヨセフを、聖母マリアの夫に選ばれました。どうか、この世におけるわたしたちの保護者として崇める聖ヨセフが、わたしたちの天の保護者となってくださいますように。 アーメン。

聖ヨセフの第五の悲しみと喜び

第六の日曜日 第六の喜びと悲しみ

地上の天使である栄光の聖ヨセフよ、あなたはあなたの心を天の王にすべて捧げられました。エジプトから戻られたときのあなたの喜びは、アルケラオ王に対する不安によってゆるぎましたが、天使は再びあなたにイエスとマリアと共にナザレで安心して暮らすことを約束されました。あなたのこの苦しみ、この喜びによって、わたしたちの心を恐怖から(まぬがれ)れさせ、心の平和を味わい、イエスとマリアと共に安らかに生涯を送り、臨終においてはイエスとマリアの手にわたしたちの霊魂を捧げることができますように。

「主の祈り」「アヴェ・マリア」「栄唱」各一回。

「イエスは三十歳になられたとき、ヨセフの子と呼ばれていました」

「聖ヨセフ、わたしたちのために祈ってください。▲キリストの約束にわたしたちをあずからせてください」

祈願

神よ、あなたは賢明な摂理のうちに祝せられた聖ヨセフを、聖母マリアの夫に選ばれました。どうか、この世におけるわたしたちの保護者として崇める聖ヨセフが、わたしたちの天の保護者となってくださいますように。 アーメン。

聖ヨセフの第六の悲しみと喜び

第七の日曜日 第七の喜びと悲しみ

すべての徳の鑑である栄光の聖ヨセフよ、あなたはあなたの過失ではなく、幼いイエスを見失い、三日の間苦しみつつ捜されました。神殿の中で博士たちに取り囲まれたイエスを見つけた時の喜びはどんなに大きなものだったでしょう。あなたのこの苦しみ、この喜びによって、わたしたちが大罪を犯してイエスを失うことがあれば、すぐに彼を捜し求め、再び巡り会うことができるよう、特に臨終の時にイエスと共に天国にのぼり、あなたと共に神の終わりのない恵みを賛美することができるよう、とりなしをお願いいたします。

「主の祈り」「アヴェ・マリア」「栄唱」各一回。

「イエスは三十歳になられたとき、ヨセフの子と呼ばれていました」

「聖ヨセフ、わたしたちのために祈ってください。▲キリストの約束にわたしたちをあずからせてください」

祈願

神よ、あなたは賢明な摂理のうちに祝せられた聖ヨセフを、聖母マリアの夫に選ばれました。どうか、この世におけるわたしたちの保護者として崇める聖ヨセフが、わたしたちの天の保護者となってくださいますように。 アーメン。

聖ヨセフの第七の悲しみと喜び

聖ホセマリアは、どんな聖ヨセフを想像しました?

私は、彼が若くて逞しく、おそらく、聖母よりも少し年上で、成熟した力強さに満ちた人物であったと想像します。聖ヨセフは金持ちではなく、世界中の何万という人々のように一人の労働者にすぎず、骨の折れる慎ましい仕事をしていたことはわかっています。そして、神は、人となって、私たちのうちの一人として三十年間過ごそうとお望みになったとき、このヨセフの仕事をご自分のものとしてお選びになりました。

聖書は、聖ヨセフが職人であったと述べています。ある教父は大工であったと付け加えています。聖なる福音書の語っているところから、聖ヨセフの偉大な人格について考えてみると、種々の問題に当面するとき、いささかなりとも気弱であったり尻込みしたりする人物ではなく、むしろ問題に直面し、困難な状況に陥ったときにも切り抜け、責任感と独創性とをもって、自分に委ねられた任務を果たした人物であったと推し量ることができるでしょう。(『知識の香』40番参照)


聖ヨセフについての文書

フランシスコ教皇、使徒的書簡『父の心で』Patris corde。日本語試訳:ファイルリンク

(長崎の「けがれなき聖母の騎士聖フランシスコ修道女会」の岡立子シスターの提供)

ヨハネ・パウロ二世、使徒的勧告『救い主の守護者聖ヨセフ』Redemptor Custos.本のリンク

聖ホセマリアの説教、『聖ヨセフの仕事場』:リンク