5.属人区は、教区や奉献生活の会あるいは種々の運動と、どんな点が似ており、また、異なっているのでしょうか。

まず思い出すべきことは、教会のいかなる性格を有する組織も、唯一の教会の生命と目的に与っているという点です。

それゆえ、すべての組織は、教会の交わりの中にあり、互いに親愛の関係を持つように招かれているのです。

属人区も教区も、いずれも位階的性格を持つ信者の共同体です。教区は部分教会であり、地域によって定められた信者を含みます。属人区は、ある教区の中で、あるいは、複数の教区の中で、固有の使命を果たしながら教区と協力して活動を行います。

教会の生活において、信者は、教区や属人区のように位階的な性格を有しない、様々な目的を持ったグループを作ることができます。信心会や慈善事業の団体などは、固有な召命を持つことなく活動に参加できます。一方、奉献生活の会などは、独自のカリスマによって召された信者の団体であり、生活と使徒的活動を通して公に福音に根ざした生き方を証していくものです。

運動とは、特に世俗に生きる信徒を対象としつつも、あらゆる信者が参加する、カリスマによって生まれた団体のことです。そのメンバーは、兄弟的絆とカリスマにもとづく使徒職活動によって互いに結ばれています。