聖ホセマリアは、聖書の言葉(フィリピ4・4)を引用しながら「いつも喜んでいなさい、常に喜びに溢れていなさい」と教えていました。そんな聖ホセマリアでしたが、やはり時には喜びや心の平安が失われてしまうこともありました。
こんなエピソードがあったことをドン・アルバロが紹介しています。「ある時聖ホセマリアが語ってくれたことを思い出します。その当時はオプス・デイに関する色々なことがうまく行かない状況に陥っていて、事態は悪化の一途をたどるばかりでした。彼は心の平安を失っていたことを私に打ち明けながらこんなエピソードを話してくれました。『イライラしていました。そして、そんな自分に気付いて益々イライラしていたのです。心の平安を失ってイライラした気持ちでマドリッドの街を歩いていたのですが、ふと通りの建物の脇に証明写真を撮ることが出来る機械があることに気がつきました。お金を機械に入れると証明写真を撮ってくれる機械です。その時ふと考えました、自分の写真を撮ろうと。イライラする気持ちで心が落ち着かない自分の姿を焼き付けておこうと思ったのです。そして写真を撮りました。そこには見るからに不機嫌そうな自分の姿が映し出されていました。なんておかしな顔をしているんだろう、一人でイライラしている惨めな姿!その写真を一ヶ月間は手帳にはさみ、事あるごとに眺めるようにしたのです』」。
こうして聖ホセマリアは喜びや平和を失うことのバカバカしさを教訓として思い返していたのです。
