ラスベガスの曲芸師

名前はクルチェゴフ・ロス。ポーランド生まれの29歳の青年で、彼の職業はラスベガスの曲芸師です。「私は観客を楽しませること、そして神さまを楽しませることが生きがいです」といつも言っています。オプスデイの協力者の一人です。

  <あなたのお仕事をもう少し詳しく教えてくれませんか

私は「ドリーム」と言うショーに出演している85人のアクロバット芸人のメンバーです。演出者はフランコ・ドラゴン。世界中でもラスベガスだけで開催される一大スペクタクルショーです。巨大なプールの上で熟練された技を使いスポーツと芸術を組み合わせ演じるのです。仲間の多くは世界的にも名が知られている人たちで、国際的な各種の競技会で表彰台に上がった実績があると聞いています。

 

あなたが自分の才能を発見したきっかけは何でしょうか

私がまだ幼児だった頃からアクロバットへの挑戦が始まりました。私の出身地であるポーランドのスロトージャではよくあることでした。コーチからの本格的にやってみてはというアドバイスがきっかけとなり、友人と二人でアクロバットチームを立ち上げたのです。そして大西洋の向こう側で新しい企画があるという話しを聞き、パリで行なわれたオーデションを受け合格したのでした。

 

ラスベガスでの生活はいかがですか

ラスベガスで生きることは大変きついものです。文化も、宗教もそれぞれの信念も違う人々がここに集まっているのです。私の仲間でも文化も宗教も異なる中でカトリック信者は一人かそれぐらいの程度です。

その意味では、ここにいると自分の人生を導く精神的な信条がいとも簡単に喪失してしまうくらいです。砂漠の真ん中に構築されたこのレジャー都市で神の存在を実感したり、心の平和を取り戻すことなどはとても望めないものだと思い続けたこともありました。

今は違います。そうではありません。毎日それこそいつも空中ブランコが仕事の私ですが、いろんな考え方を持っている仲間と一緒にいるときこそ神さまとの友情が深まることを学びました。

クルチェゴフ・ロス

 

アクロバット演技とはどんなものなのですか

バレーのようなつま先廻りを完璧にこなし、集団演技として一致結束し

お互いに一斉に整然として演技することを来る日も来る日も練習する決して楽な仕事ではありません。時々は体の節々が痛くなることもあります。しかし、この仕事こそ多くの観衆に奉仕するものであり、彼らの心を癒すものであると思うのです。さらにそれは神さまにも喜んで頂けるものと考えています。そのためにもどんな演技にも、私の持てる技量を思い切り注ぎたいのです。

どんなことでオプスデイを知ることになったのでしょうか

米国に渡る前、聖エスクリーバ師の3冊の著作を贈り物として貰ったのでした。「道」、「拓」、「鍛」の3冊です。これらを読んで強い関心をもちラスベガスに来てオプスデイのメンバーと接触を持ちました。すぐにカトリック教義の形成のための諸活動に参加し始めたのです。それ以来演技の合間に念祷をすることを毎日実行しています。私の仕事はいわば毎日同じ演技の繰り返しです。身体的努力、集中力そして演技の正確性が求められます。オプスデイの精神は私の仕事を支えてくれています。それは神さまこそ最大の観客だからです。

 

あなたのラスベガスでの将来設計を教えて下さい

このラスベガスでもオプスデイの活動は広がることでしょう。今はまだ少数ですが広がる見通しが明白だと思うだけに真剣にならざるを得ません。私自身は「祈り」と「使徒職」を通してオプスデイの協力者として参加します。隣人たちを神さまに会わせてあげたいと思うのですが、これにはまさにアクロバッテイックな技量が必要だと思います。それには、すべてとは言いませんがそれを実践しようとする心の強さとその人の人間性に左右されることが多いと思います。大切なことだと考えています。私自身となると、私一人では多くのことは望めません。隣人たちに支えられ神さまに見守られながら実践してゆきたいと思っています。