オプス・デイ、属人区

教会法的に、オプス・デイはカトリック教会の属人区です。

教会法に規定されている属人区とは、第二バチカン公会議によって準備された法形態のことです。「司祭の役務と生活に関する教令」(1965年12月7日)10番は、「司祭の適切な配置」と「ある地域で、国で、あるいは地球上のどのような部分においても作られるはずの、多様な社会集団のための特別な司牧活動」を実現するために、将来「特別教区または属人区」などを設置することができると定めました。 

属人区

 公会議はキリストの教えとキリスト教的な生き方を効果的に広める目的で、それに対応し得る優れた新しい法形態を求めていました。この法形態が確立され、歴史の中で各々の時代の要請に教会が応えてきたように、現代社会の新たな要請に教会組織が応えることが可能になり、人類史の中での教会の使命がまた新たに反映されるようになりました。

 属人区は教会法典294−297条において規定されています。属人区は、教区司教との交わりにおいて司牧的または宣教的活動を発展させるため、聖座によって設置されます。属人区は、属人区長によって統治され、司牧的活動を固有の聖職者と男女信徒による有機的な協力を通して実現します。信徒は合意に基づき属人区に加入しますが、居住する地方教会すなわち教区に所属し続けます。

 教会法は、それぞれの属人区が教会の一般法と固有の規約によって規定されると定めています。

属人区オプス・デイ

属人区として設置される前から、すでにオプス・デイは信徒と司祭が有機的に協力して国際的に司牧的・使徒職的活動を推進する組織でした。その具体的な使命は、世界の只中で各自が仕事と日常生活において聖性を追求するという理想を広めることにあります。

パウロ6世教皇とその後継者は、オプス・デイにその本質に合った法形態を付与する可能性について検討することを決定しました。公会議諸文書に照らして最も適切と思われた形態は属人区でした。

1976年に、その法的適応を実現するための作業が開始され、その作業には聖座とオプス・デイの双方が関わりました。この作業は1981年に完了しました。その後、聖座はオプス・デイの活動のある教区の司教二千名以上に報告書を送付し、彼らの意見を要請しました。

司教方のすべての回答を評価した後、ヨハネ・パウロ2世教皇は、1982年11月28日付の使徒憲章Ut sitによって、オプス・デイを属人区として設置し、1983年の新教会法典を承認した後、1983年3月19日にそれを施行しました。教皇はこの文書と併せて属人区オプス・デイの固有法である規約を公布しました。この規約の草案は以前の憲章をもとに長年の作業と何千人ものオプス・デイのメンバーの協力によって作成されたもので、聖ホセマリアはその内容を確認し1974年に最終的に承認しました。聖座は、新しい法制に適応させるために必要な変更をそれに加えた後、この規約を自身のものとしました。2022年7月と2023年8月に教皇フランシスコは2つの自発教令を公布し、使徒憲章Ut sitと教会法典の属人区に関連する条文のいくつかを改正しました。 現在、規約をこれらの改正に適応させるための作業が聖座とともに行われています。