「恐れずに進みましょう!」、国内初の列福式

ペトロ岐部と187殉教者の列福式にセイドー文化センターから12人の学生が参列した。

江戸時代初期に日本各地で殉教したペトロ岐部らが11月24日に列福された。1603年から1639年にかけて、様々なかたちで迫害や拷問を受けて殉教した188人の日本人男女信徒、司祭、修道士。カトリック教会は、殉教者が神様と人々への愛を英雄的に証ししたことを認め、彼らを福者にすることによって、日本のキリスト信者への模範にするのである。

列福式の一ヶ月前から芦屋市(兵庫県)にあるセイドー文化センターでは、高校生・大学生を対象として殉教者の歴史と信仰を学ぶ機会を提供した。そして、式に参列するために、12人の学生が、神戸からフェリーに乗り、福者となったペトロ岐部の出身地である大分に渡り、全国の信者が集う長崎へと巡礼の旅をした。信徒発見の舞台である大浦天主堂、日本二十六聖人記念館などを訪れ、日本カトリック教会のふるさとである長崎を巡り、自分の信仰を強めるきっかけとした。仁川学院の高校一年生のたが健介(15)は「この長崎巡礼に参加して改めてキリスト者としての生き方を覚えさせられた」と述べた。

当日、小雨の中にもかかわらず大阪教区の信者が数多く集まった席に、池長大司教様が来てくださった。国内外から約3万人といわれる大勢の信者とともに、列福の儀、そしてごミサにあずかった学生たちは、福者の生涯について語られた前東京大司教白柳誠一枢機卿と教皇代理のジョゼ・サライヴァ・マルティンス枢機卿の言葉に耳を傾けつつ、自分の生き方を考えなおす機会とした。「僕は迫害時代に生きていないけれども、殉教者のように自分の信仰を宝物にして、イエス・キリストの証になるべきだと思う」と大阪大学大学院生のベネズエラ出身のオルティス・シモン(24)は語った。

白柳枢機卿が説教を締めくくった言葉「恐れずに進みましょう!」を思いながら、京都産業大学の尾形光洋(22)は「福者が経験した困難は、現代に生きている私たちには想像しにくい。しかし、私たちは彼らが示してくれた信仰の力で、日々の小さなつまずきを超えることができる」と述べた。

*セイドー文化センター・国際男子学生会館(www.seido-cc.org)は1959年に設立され、中・高校生、大学生、青年社会人を対象とした文化的な活動のほか、人間形成やキリスト教に関するセミナーなどを提供する男子学生寮。