ローマ国際会議「日常生活の偉大さ」を開催予定

2001年12月13日、聖十字架大学における記者会見で、ホセマリア・エスクリバーの生誕百年を記念し、「日常生活の偉大さ」をテーマにした国際会議が2002年1月7日から11日までローマで開催されると発表。

2001年12月13日、聖十字架大学における記者会見で、ホセマリア・エスクリバーの生誕百年を記念し、「日常生活の偉大さ」をテーマにした国際会議が2002年1月7日から11日までローマで開催されると発表。

◇ 57カ国から集う1,200人ばかりの参加者は、家庭、学問、教育、社会参加に関する諸問題を福者ホセマリア・エスクリバーの教えに照らして討論する。また、発展と仕事、青少年、連帯、世論、芸術的創造性、司祭職などについても三日間にわたって討議する予定。会議は旧病院「サント・スピリト・エン・サッシャ」(Borgo Santo Spirito, 2)と教皇庁立聖十字架大学の本館(Piazza Sant' Apollinare,49)で同時進行される。

◇ ボローニャ大学社会学教授で会議の学問科学委員会メンバーのピエルパオロ・ドナティは、次の点を指摘した。「会議の望みは、ホセマリア・エスクリバーの教えの核心である『日常生活の偉大さ』を深めることにあります。福者の教えは生活の究極的な意義(キリスト)を、隠された場所や『世界の外』に求めるのではなく、日常性の中に求めなさいという招きです。」

◇ 福者ホセマリアの教えによる日常生活の偉大さ学問的に明らかにする111の講演と発表が予定されている。例えば、ノルウェーの大学教授で国会議員を務めるヤンネ・ハアランド・マトラリーは「どうすれば仕事を聖化できるかについて」、ミラノ大学の現代史教授ジォルジョ・ルーミは「ホセマリア・エスクリバーが司祭職に挺身した時代の歴史・文化的な環境について」、神学者であるアフリカのチャールズ・ニャミティ神父は「インカルチュレーションの観点から、アフリカ大陸における福者の教えの今日性について」、ロシア人哲学者でロシア正教信者エンジェニ・パズーキンは「福者ホセマリアのパーソナリズムと普遍性およびスラブ世界における福者の教えに対する関心について」、大ラビで会堂世界協議会の国際副会長を務めるアンヘル・クライマンは「ヘブライ伝統に固有な仕事観と福者の著作に見られる仕事観の類似性について」、またレバノンの経済学者でイスラム教徒のエル・ハリルは「発展に関する諸問題について」発表を準備している。

◇ 会議を主宰する教皇庁立聖十字架大学のモンシニョール・ルイス・クラベル学長は、次の点を想起させた。「ホセマリア・エスクリバーの説教中で最も有名な説教の一つが『愛すべき天地』(直訳すれば、世界を熱烈に愛する)と題されているのは偶然ではない。」また、福者の教えは「世界をコミットメントと愛、協力精神で実行される奉仕、開かれた心と誠実な対話という観点から考えるよう招く。従って、会議もペルソナ、正義、平和のようなテーマに従って構成されている」と述べた。

◇ この国際会議ではキリスト教信仰と生活の種々の面との関係についても検討される。これはワークショップ形式で行なわれる。テーマは18の多岐にわたる分野に及ぶ。例えば、「社会参加」「子供の養育」「青少年問題」「芸術的創造性」や「発展の鍵」など。会議では、それぞれの部会で男女260名が報告をすることになっている。

◇ 福者ホセマリア生誕百年記念のスポークスマンおよび国際会議組織委員を務めるマルタ・マンツィ女史はこうコメントしている。「私たちは平和と友愛の推進力としての信仰について考察を深め、人々の間の暴力と分裂要素である偏見を打ち破りたいと願っています。福者ホセマリアの説教と教えは、この点で常に人々への呼びかけとなりました。共に生き、共に働くことを学び、民族や文化的な背景、宗教的信条、社会階級や政治姿勢に惑わされないようにと声を上げていたからです。こうして、人間の働きと仕事は一致の掛け橋となり奉仕の道具になるのです。」

◇ 時を同じくして国際会議に関連した行事がいくつか催される。1月7日にアルベルト・ミッケリー二による福者ホセマリアのメッセージに関するドキュメンタリービデオ上映、1月8日にイタリア郵政省発行の記念切手発売、1月10日にサンタ・チェチーリア国立音楽堂で合唱コンサート(コンゴにあるモンコーレ医療センターを援助するチャリティー企画)、1月12日に国際会議を閉会するに際して教皇様の謁見などが予定されている。また、9日に共同司式による聖体祭儀が祝われる。

◇ 記者会見の席上、マルタ・マンツィは生誕百年を記念して行なわれる他の国での行事のいくつかを紹介した。「いずれも連帯精神を表わす出来事で、大勢の人々が神に近づき、キリスト教的な生き方の喜びを見つけて欲しいという望みから出たものです。」たとえば、ナイジェリアのラゴスで開校した産業技術専門学校「IIT」(失業率の高い首都圏の若者を対象に職業訓練および形成の学校)、コロンビアで開校した農畜産学校「グアタンフル」、ベネズエラのペターレやメキシコのトシで活躍する移動医療施設など。

◇ 同じく生誕百年を記念して、福者ホセマリアの著作中最も有名で、42カ国語400万部が出版されている『道』の批判版が発表される予定。批判版はペドロ・ロドリーゲス教授による。また、2002年の初めに、インターネットのウェブサイトで『道』『拓』『鍛』『知識の香』『神の朋友』『十字架の道行』『聖なるロザリオ』『教会を愛する』など福者ホセマリアの著作が各国語で読めるようになる予定。(www.escrivaworks.org.)