「落ち着いて、時の経つのを待ちなさい」

あなたは不安になっている。次のことを考えなさい。内的生活と周囲の世界にどんなことが起こっても、出来事や人物の重要性は極めて相対的である。落ち着いて、時の経つのを待ちなさい。その後、遠くから心静かに事件や人物を見ることによって、全体を眺めることができるようになるだろう。すると、各々の事柄をあるべき場所におき、真の大きさで見ることができる。このようにすれば、もっと公正な人となり、もっと多くの心配事を避けることができるのである。(道702)

エマウスに行く途中で、イエスと弟子たちが話し合った場面を思い起こしてみましょう。人生が無意味に見えはじめるほど希望を失っていたあの二人と、イエスは歩みを共にされました。彼らの心痛をよく理解して、心の奥まで見抜き、ご自分の神的生活をいくばくか彼らにお伝えになったのです。

村に着いたとき、イエスはなおも先に行こうとされたので、二人の弟子はイエスを引き止め、無理に、泊まってくださるよう願いました。そして、パンを裂かれたとき、彼らの同行者がイエスであることに気づいたのです。「一緒にいてくださったのはキリストだった」と彼らは叫び、「『道で話しておられるとき、また聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか』と語り合った」13のでした。人々にキリストをもたらすのは信者の務めです。人々が、私たちから「キリストのよき香り」14を感じとるように振る舞うのは信者の義務です。使徒である信者の行いの中に、師のみ顔が浮かび上がらなければならないのです。(知識の香105)

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